ブレーカ付近からの発火
今回はブレーカ付近からの発火の様子です。
お客様から「朝、出社したらブレーカ付近が燃えており、火が出たようだ」との連絡を受け
現場に伺いました。
左上の写真でブレーカ上部の木板が黒く焼け焦げているのが確認できます。
現場で担当者様から話を聞くと、「前日は工場は稼働していたが、私は休日で当該ブレーカの機械は
使用しておらずブレーカは切っており、今朝ブレーカを投入する時に焼け跡に気が付いた」・
「前日には、他の従業員も異常は感じなかった」との事でした。
木板の焼け具合から焼ける臭いがしているはずですが、同じエリアで溶接作業も行っており
わからない状況でした。
また、人が行き交う目の届く場所であったにも係わらず火を見ていないことから「日中ではなく
作業終了後の夜から翌朝の間」に発火した可能性が高いようです。
右上の写真は燃えたブレーカ隣の、ブレーカ上部1次側の写真です。
鉄サビの塵が全体に積もり固まっているのが確認できます。
これは、ブレーカの設置場所が鉄を削る機械の近くに設置されており、また、雨漏れもしている事
によるものです。
焼けたブレーカの配線及び端子は焼け溶けていない事から、端子の締め付け不足では無いようです。
ブレーカも切ってあり2次側への通電も無い状態です。
あくまで推測でずか、鉄サビの塵が端子間で繋がって短絡して発火した可能性が考えられます。
この事から、ブレーカは外部操作ハンドル付き防塵防水ケース(IP54)に入れた物を設置し
ケーブル貫通部は、防水防塵ケーブルコネクタ(IP68)を用いて施工を行いました。
今回大事には至りませんでしたが、かなり危ない状況でした。
以前の「電機部施工例」でも書きましたが、ブレーカむき出しでの取付はお勧めしません。
塵・油・ミスト等による異常や故障そして発火の危険性が高くなります。
暦も残り僅かとなりました。
大掃除に工場点検を行い、危険が予見できる部分は改修を検討していただければと思います。
今年も1年ありがとうございました。良い年をお迎えください。
2023年12月22日